原作: 不明
訳: 三田 吉郎 <mita@jp.FreeBSD.ORG>, 花井浩之 <hanai@FreeBSD.ORG>, 岩崎 満 <iwasaki@jp.FreeBSD.ORG>. 26 January 1997.
それでは, FreeBSD のインストールに挑戦してみましょう. この章には, あなたが何をする必要があるかの簡単なガイドが 書いてあります. FreeBSD は, CD-ROM, フロッピーディスク, 磁気テープ, MS-DOSのパーティション, ネットワーク接続しているところでは anonymous FTP や NFS を通じてインストールすることができます.
どのインストールメディアを利用する場合も, まず後で説明するよう なインストールディスクの作成から始めます. すぐにイン ストールするわけではない場合であってもこのディスクであなたのコ ンピュータを立ち上げることで, FreeBSD とあなたのハードウェアと の相性に関する重要な情報を手に入れることができ, このハードウェ アではどんなインストールオプションが使えるかを指定することがで きます. もしもあなたが anonymous FTP を使用してインストールす る予定なら, インストールフロッピーだけをダウンロードして作成するだけで OK です - インストールプログラム自身がさらに必要なも のを (Ethernet 接続やモデムによるダイアルアップなどを用いて) 直接ダウンロードしてくれます.
FreeBSDの配布に関する情報は, 付録の FreeBSD の入手方法 をご覧ください.
仕事にとりかかるには, 以下のような手順を踏みます.
このインストールガイドの サポートされている設定一覧 の節を読んで, あなたのハードウェアが FreeBSD でサポートされていることを確認します. SCSI コントローラだとか, イーサネットアダプタだとか, サウンドカードだとかの, あなたのマシンが 装備している特別なカードのリストを作っておくと便利です. この リストには, 割り込み番号 (IRQ) とか, IO ポートのアドレスとかの, カードに 関係する設定も書いておきましょう.
FreeBSD を CDROM メディアからインストールする場合, いく つかの異なる選択肢があります.
もし CD のマスターが El Torrito ブートサポートで焼か れており, あなたのシステムが CDROM からのブートをサポートして いるなら(多くの古いシステムは サポートしていません), 単にドライブに CD を入れてブートするだけです.
もしDOS を動かしていて CD へアクセスするための適切な ドライバを持っているならば, CD に入っている install.bat スクリ プトを起動します. これは, DOS から直接 FreeBSD のインストール へと進みます.
Note: これは本当の DOS から行なわなければいけま せん. Windows の DOS プロンプトからでは駄目です.
また, DOS パーティションから FreeBSD をインストールしたい場合 (恐らく, CDROM ドライブが FreeBSD で全くサポートされていない場合でしょ う), setup プログラムを起動します. setup プログラムは, まず CD から適切なファイルを DOS パーティションにコピーし, インストー ルへと進みます.
上記二つのうちのどちらかがうまくいったなら, この節の 残りは必要ありません. そうでないならば, 最後の選択肢は floppies\boot.flp イメージからブートフロッピーを作る ことです---そのやり方の説明はステップ 4 へ進みます.
もし CDROM を持っていないなら, ブートディスクのイメージ ファイルをあなたの ハードディスクにダウンロードしてきます.
Note: ブラウザのコマンドでは, display ではなくて save を選ぶことに注意してください.
注意: このディスクイメージは, 1.44 メガバイトの 3.5 インチフロッピーディスクのみで使用可能です.
このイメージファイルからブートディスクを作成します,
MS-DOSを使っている場合: fdimage.exe をダウンロードするか, CDROM から tools\fdiomage.exe を取り, これを実行します.
E:\> tools\fdimage floppies\boot.flp a:
このプログラムは, A: ドライブをフォーマットした後 boot.flp の内容を書き込みます (ここでは通常の通り, FreeBSD の配布物のトップレベルディレクトリにおり, フロッピーイメージ は floppies ディレクトリにあると仮定しています).
UNIX システムを使っている場合:
# dd if=boot.flp of=disk_device
を実行します. ここで, disk_device はフロッピードライブに 対応する /devの中のエントリです. FreeBSD では, /dev/rfd0 が A:ドライブに, /dev/rfd1 が B:ドライブに 対応しています.
インストールディスクを A:ドライブに入れて, コンピュータを 立ち上げ直します. そうすると次のようなプロンプトが出てくるはずです.
>> FreeBSD BOOT ... Usage: [[[0:][wd](0,a)]/kernel][-abcCdhrsv] Use 1:sd(0,a)kernel to boot sd0 if it is BIOS drive 1 Use ? for file list or press Enter for defaults Boot:
ここで何もタイプしない場合, 5秒間の待ち時間の後に FreeBSD は 自動的にデフォルトの設定で立ち上がります. 立ち上げの際, どんな ハードウェアが装備されているかを検出 (プローブ) します. この結果は スクリーン上に表示されます.
立ち上げプロセスが終了したら, FreeBSD インストールメニューが 表示されます.
もしも問題が起こった場合
PC アーキテクチャの制限のため, 100パーセントの信頼をもって検出する ことは不可能です. もしもあなたのハードウェアが間違って認識されたり, 検出途中でコンピュータが固まってしまうようなことが起こった場合, まずこのガイドの サポートされている設定一覧 の節を読んで, あなたのハードウェアが本当に FreeBSD でサポートされているかどうかを確かめてください.
ハードウェアがサポートされていた場合, リセットして Boot: プロンプトが出てきたところで, -c と打ち込んで ください. こうすると, FreeBSD はコンフィグレーションモードになり, ハードウェアに関する情報を FreeBSD に与えることができるようになります. インストールディスクの FreeBSD カーネルは, 多くのデバイスの IRQ, IO アドレスが工場出荷時の値に設定されているものと 仮定して作られています. もしもあなたのハードウェアの設定を変更したなら, -c オプションで立ち上げて, 設定がどうなっているかを指定してあげること が必要になるでしょう.
存在しないデバイスを検出すると, 実際に存在している他のデバイスの 検出に失敗することが考えられます. そのような場合は, 衝突している デバイスを無効にしなくてはなりません. スクリーンデバイス (sc0) などインストールに必要なデバイスを無効にしてはいけません.
コンフィグレーションモードでは,
カーネルに組み込まれているデバイスドライバの 一覧を表示する
あなたのシステムにないハードウェアのデバイスドライバを 無効にする
デバイスドライバの IRQ, DRQ, IO ポートアドレスなどの変更する
config> プロンプトが出ているところで, help と打ち込むと, 使用可能なコマンドについての詳しい説明が出てきます. あなたのマシンのハードウェア設定に合うようにカーネルを変更したら, config> プロンプトが出たところで quit と打ち込んで, 新しい設定でマシンを立ち上げます.
FreeBSD のインストールがひとたび終了した後は, コンフィグレーションモード での変更はずっと保持されますので, 立ち上げのたびに設定変更をする必要は なくなりますが, あなたのシステムの性能を高めるために, カスタムカーネルを作るのが好ましいでしょう. カスタムカーネルの作成に関しては, FreeBSD カーネルのコンフィグレーション の章をご覧ください.
現在 FreeBSD は, ISA, VL, EISA, PCI バスや, 386SX から Pentium クラス までのさまざまな種類の PC で動作します (386SXはおすすめではありません). IDE, ESDIドライブや, さまざまな SCSI コントローラ, ネットワークカードや シリアルカードにも対応しています.
FreeBSD を走らせるには, 最低 4メガバイトの RAM が必要です. X Window System を 走らせるには最低でも 8メガバイトの RAM が推奨されます.
以下のリストでは, FreeBSD で動作が確認されているディスクコントローラ やイーサネットカードです. 他の設定でもうまく動いてくれると 思いますが, 私たちのところには情報は入ってきていません.
WD1003 (あらゆる MFM/RLL)
WD1007 (あらゆる IDE/ESDI)
IDE
ATA
Adaptec 1505 ISA SCSI コントローラ
Adaptec 152x シリーズ ISA SCSI コントローラ
Adaptec 1535 ISA SCSI コントローラ
Adaptec 154x シリーズ ISA SCSI コントローラ
Adaptec 174x シリーズ EISA SCSI コントローラ (スタンダード, エンハンスドモード)
Adaptec 274x/284x/2940/2940U/3940 (Narrow/Wide/Twin) シリーズ EISA/VLB/PCI SCSI コントローラ
Adaptec AIC7850 オンボード SCSI コントローラ
Adaptec AIC-6360系のボード AHA-152x や SoundBlaster SCSI などがこれにあたります.
Note: Soundblaster カードには, オンボード BIOS が載っていないので, このカードからは FreeBSD を起動できません. オンボード BIOS とは, システム BIOS の I/O ベクタにブートデバイスを 登録するときに必要なものです. このカードは外部テープであるとか, CD-ROM であるとかその他の場合には十分利用可能です. 同じことは, ブート ROM の載っていない AIC-6x60 系のカードにもいえます. いくつかのシステムでは実際にブート ROM を持っています. それは電源を入れるかリセットしたとき, 最初に表示されます. 詳しくはあなたのシステムやボードの解説書をご覧ください.
Buslogic 545S & 545c
Note: Buslogic 社は古くは `` Bustek '' 社といっていました.
Buslogic 445S/445c VLバス SCSI コントローラ
Buslogic 742A, 747S, 747c EISA SCSI コントローラ.
Buslogic 946c PCI SCSI コントローラ
Buslogic 956c PCI SCSI コントローラ
NCR 53C810 , 53C825 PCI SCSI コントローラ.
NCR5380/NCR53400 (``ProAudio Spectrum'') SCSI コントローラ.
DTC 3290 EISA SCSI コントローラ (1542 エミュレーション)
UltraStor 14F, 24F, 34F SCSI コントローラ.
Seagate ST01/02 SCSI コントローラ.
Future Domain 8xx/950 シリーズ SCSI コントローラ.
WD7000 SCSI コントローラ.
サポートされている SCSI コントローラのすべてで, ディスク, テープドライブ (含む DAT), CD-ROM ドライブなどの周辺機器との通信に SCSI-I, SCSI-II が利用可能です.
現在, 次にあげるタイプの CD-ROM ドライブがサポートされてます.
Soundblaster SCSI , ProAudio Spectrum SCSI (cd)
ミツミ (全モデル) 独自のインタフェース (mcd)
松下 / Panasonic (Creative) CR-562/CR-563 インタフェース (matcd)
ソニー インタフェース (scd)
ATAPI IDE インタフェース (まだまだお試し段階で, クオリティは低いです) (wcd)
Allied-Telesis AT1700, RE2000 カード
SMC Elite 16 WD8013 Ethernet インタフェース, その他多くの WD8003E, WD8003EBT, WD8003W, WD8013W, WD8003S, WD8003SBT や WD8013EBTなどの互換品. SMC Elite Ultra 及び 9432TX ベースのカードもサポートされています.
DEC EtherWORKS III ネットワークインタフェースカード (DE203, DE204, DE205)
DEC EtherWORKS II ネットワークインタフェースカード (DE200, DE201, DE202, DE422)
DEC DC21040/DC21041/DC21140 ベースのネットワークインタフェースカード:
ASUS PCI-L101-TB
Accton ENI1203
Cogent EM960PCI
Compex CPXPCI/32C
D-Link DE-530
DEC DE435
Danpex EN-9400P3
JCIS Condor JC1260
Kingston KNE100TX
Linksys EtherPCI
Mylex LNP101
SMC EtherPower 10/100 (Model 9332)
SMC EtherPower (Model 8432)
SMC EtherPower (2)
Zynx ZX314
Zynx ZX342
DEC FDDI (DEFPA/DEFEA) ネットワークインタフェースカード
富士通 FMV-181, FMV-182
富士通 MB86960A/MB86965A
Intel EtherExpress
Intel EtherExpress Pro/100B 100Mbit.
Isolan AT 4141-0 (16 bit)
Isolink 4110 (8 bit)
Lucent WaveLAN ワイアレスネットワークインターフェイス
Novell NE1000, NE2000, NE2100 イーサネットインタフェース
3Com 3C501 カード
3Com 3C503 Etherlink II
3Com 3c505 Etherlink/+
3Com 3C507 Etherlink 16/TP
3Com 3C509, 3C579, 3C589 (PCMCIA) Etherlink III
3Com 3C590, 3C595 Etherlink III
3Com 3C90x カード
HP PC Lan Plus (27247B と 27252A)
東芝 イーサネットカード
IBM , National Semiconductor社 PCMCIA イーサネットカードもサポートされています.
Note: FreeBSD は今のところ, いくつかのイーサネットカードの PnP (プラグ&プレイ) 機能には対応していません. もし PnP で問題が起こる ようでしたら, PnP 機能を無効にしてください.
AST 4 ポート シリアルカード (シェアード IRQ 使用)
ARNET 8 ポート シリアルカード (シェアード IRQ 使用)
BOCA IOAT66 6 ポート シリアルカード (シェアード IRQ 使用)
BOCA 2016 16 ポート シリアルカード (シェアード IRQ 使用)
Cyclades Cyclom-y シリアルボード
STB 4 ポート カード (シェアード IRQ 使用)
SDL Communications Riscom/8 シリアルボード
SDL Communications RISCom/N2 と N2pci 同期シリアルカード
Digiboard Sync/570i high-speed 同期シリアルカード
Decision-Computer Intl. ``Eight-Serial'' 8 ポートシリアルカード (シェアード IRQ 使用)
Adlib, SoundBlaster, SoundBlaster Pro, ProAudioSpectrum, Gravis UltraSound, Gravis UltraSound MAX Roland MPU-401 などのサウンドカード
Matrox Meteor video フレームグラバー
Creative Labs Video spigot フレームグラバー
Omnimedia Talisman フレームグラバー
Brooktree BT848 チップベースのフレームグラバー
X-10 power コントローラ
PC ジョイスティックおよびスピーカ
FreeBSD は今のところ, IBM社のマイクロチャネルアーキテクチャ (MCA) バスには 対応していません.